仙台白菜の学び「仙台春菜の教材」を地域へ!

                                                                                                        2025.10.20 河北新報 夕刊

仙台白菜に学ぶ・・・私たちが2010年から続けている「地域の白菜文化をテーマとした食の学び活動」も、今年で16年目の活動になりました。

東日本大震災が発生した2011年からは、塩竈市の浦戸諸島で「白菜の採種文化の保存活動」にも取り組ませてもらっています。これまでの「松島白菜・仙台白菜」に関する食の学び活動で得られたモノやコト、そして人とのつながりは、地域の小中学校や社会教育施設などで食の学びの教材として活用されています。

この度、白菜の学び活動に関する新たな教材ができましたので紹介させていただきます。 


仙台白菜の苗を新たな学びの教材に!

これまでも浦戸諸島で採種した種や苗を学びの種(教材)として、多くの小中学校等に提供させていただきました。

この度の教材は、これまでと全く同じ白菜の苗ではあるのですが、「新」バージョン!

「新」のポイントは・・・植える時期がひと月ほど遅らせる苗をということ(だけ)!? 

毎年この時期に余ってしまう「予備苗」を新たな食の学びの教材に。

通常、白菜の種まきは8月の後半に行い、数週間かけて苗に育てます。ポットやトレーで育てられた苗は9月に畑に移し植えます。そうすると11月後半に丸く結球した白菜が収穫できます。

同じ苗ですが・・・

ひと月ほど遅い10月の後半に畑に移し植えたものは、11・12月になっても結球せずに、葉ボタンのように葉を広げただけの状態で冬をむかえます。雪も積もりだし、白菜が収穫できず、残念だな〜と感じながら、冬を越します・・・

ここからが「新」の学びのポイントです。

ところが、3月春になると葉を広げた白菜の中心部分から花の芽がぐんぐん伸びだします。4月の中旬から5月にかけて、花が満開に!花が咲いた後は受粉して、また種を宿します。種は7月に収穫されます・・・花を咲かせる前のつぼみは「つぼみ菜」として食べることができ、私たちはそれを「仙台春菜」と名付けています。仙台・宮城の春の訪れを告げる新しい野菜として、その魅力を伝える活動を進めています。

・アブラナ科植物の白菜は、春、菜の花を咲かせること

・大正時代から浦戸諸島で種採りが行われていること

食の学びから理科や社会科の学びの種になるかもしれませね。

「新」のとっておきのポイントは、白菜のつぼみ菜「仙台春菜」を育てて食べてみよう!

伝統が付くほど古いイメージの野菜から、新しい野菜が生まれました!古いけど新しい、古いものを大切に丁寧に学んでいたら、新しい魅力に気づいた、まさに「温故知新」ですね!


10月いっぱい、この白菜(仙台春菜)の苗を教材として活用していただける小中学校を募集しています!予備苗が新たな教材に生かされることも、とても意義のあることだと感じます。

地域の白菜で新たな「食文化を育む」掲載いただいた新聞の見出しにも感謝いたします。

新たな食の学びから、また新たな出会いが生まれます。


食文化創志科 耕し日記

仙台大学附属明成高等学校 食文化創志科 ふるさとの食の学び 高校生たちによる ふるさとの耕し日記